これでいいのだ!(4) 過保護と過干渉

過保護と過干渉の違いとは?
「それは、過干渉ですね。
親子で、家で楽しい時間を過ごしてください」と信州大学の本田先生が言われました。
オンラインでの講演会で、私が息子のことをどうしたらよいか質問した時の返答です。
(え~っ、私って過干渉だったんだ!)と初めて知りました。

幼い頃から、専門家の先生に、「失敗体験や傷つき体験は、させないでください。
スモールステップで成功体験を積み重ねて行きましょう」と言われてきました。
学校生活が少しでも過ごしやすくなるように心を砕いて、担任と密に連絡を取り合い、配慮をお願いしてきました。
管理職の所にも何度も足を運んで理解を求めました。
どちらかというと(親が先回りして、過保護かしら)と思っていました。
息子は、3歳で保育園をすぐに首になり(教室に入れなかったため)、幼稚園、小学校、中学校と、登校しぶりと不登校を繰り返してきました。
アスペルガータイプで明らかに理系くん、学習意欲旺盛な子でしたので、なんとか好きな学問に携われたらと親として思っていました。
でも、とにかく教室に入れない、集団の中にいるとひどく疲れるという状態だったので
私は、(少しずつ集団に慣れさせないと、進学ができないし、好きな勉強もできない)と思い込み、焦っていました。
ですから、行きしぶっても、あの手この手で粘りに粘って登校を促し、どんなに遅れても学校に連れて行きました。
状態の悪い時には休ませましたが、少し元気になると、復学できるよう画策しました。
遅刻や早退の送り迎えも車で、いつ学校から迎えの連絡があってもいいように常にスタンバイしていました。

そんな毎日ですから、仕事なんかできるはずもなく、ママ友とのランチも行けません。
当時は、自分のことは後回しにするのは当たり前だと思っていました。
学校に行きたいという息子の意欲が高まるのを待てませんでした。
ものすごいエネルギーを息子に注いでいました。自分でもあきれるくらいです。
たしかに、子どもをコントロールしようとする過干渉です。
今思えば、子育ての間、私も辛かったけど、息子もとても辛かったと思います。
学校に行かないという自分を親に受け入れてもらえなかったのですから。
学校に行かせようとした時間と労力をもっと他のことに使い、親子で楽しい時間をいっぱい過ごせばよかったと思います。
楽しい子ども時代は、一生の宝物になります。

本田先生によると、
「過干渉は、自律を妨げます。
小さい時は、思いっきり甘やかして過保護にした方が、成長した時ににやる気が出ます」ということでした。
過保護と過干渉の違いはなんだろうかと考えてみました。
- 過保護は、子どもの気持ちや意思を大切にすることで、子どもが自分を受け入れてもらえていると感じ、自己肯定感が上がる。
- 過干渉は、親の思い通りにさせようと子どもをコントロールすることで、子どもが自分を受け入れてもらえてないと感じ、自己肯定感が下がる。
自分なりに整理できました。