海外の反応:日本の「社会的ひきこもり」を海外メディアが特集

「社会的ひきこもり」とは、特定の病気や障害ではなく、家族以外の社会とのつながりがなく、ひきこもっている「状態」を指す言葉です。

日本には大人の「ひきこもり」が100万人以上、また小・中学生の「不登校」は16万人以上いると言われています。

今日は海外メディアALJAZEERA ENGLISHが日本の「社会的ひきこもり」を特集したドキュメンタリー番組をご紹介します。

ナレーションは英語ですが、インタビュー部分は日本語です。

番組の内容を要約したので、そちらも参考にしてください。

最後に、この番組への海外の反応も紹介します。

(原題) Japan: The Age Of Social Withdrawal | 101 East

番組の内容 「日本:社会的ひきこもりの時代」

1) 50:80問題

最初に登場するのは54才の男性。ずっと日本社会になじめず、人生の半分を引きこもってきました。
彼はADHDまたは注意欠陥多動性障害があり、5年前に初めて診断されました。
その特性ゆえに、子供時代に酷いいじめを受け、人間不信となり、ひきこもりになったと彼は信じています。
88才の母親と暮らし、経済的に母に依存しています。1990年代に日本経済が悪化した時代に彼は大学を中退しました。仕事についてもプレッシャーからうつ病を患い、退職などでレールから外れてから、戻ることができなかったと言います。

2) 母と愛犬を失った一人暮らしの男性

茨城県の男性、この3年間に唯一の身内であった母も犬も亡くなりました。
愛犬が唯一心を許せる存在でした。37年前からひきこもり、強迫性障害で苦しんできました。
生活費であった母親の遺産がもうすぐ尽きるので、これから仕事を見つけるか、社会保障を受けるか決めなくてはなりませんが今までに仕事をした事がないのでとても不安に思っています。取材を受けた理由は、自分の存在を形に残したかったからだと言います。

3) ひきこもりに光をあてる親子

岩手県に25才のひきこもりの息子と暮らす50代の母親を訪ねました。
一般的にひきこもりの家族の話をしたがらない親は多いけれども、彼女は明るくオープンです。
日常的にひきこもりの話題をブログにて発信しています。
彼女は毎月岩手県内のラジオ番組に出演し、ひきこもり当事者と家族にアドバイスをしています。息子は母とラジオ番組を誇りに思っています。ひきこもりの暗いイメージを打ち砕いているから。母親は以前は厳格でしたが、息子を苦しめていた態度を改め、今は息子との関係は改善されてきました。

4) 不登校の子供たちの通うフリースクール

国の統計では16万人の子どもたちが既存の学校に通っていないが、代わりにフリースクールに通う子どもたちは増えてきています。フリースクールを運営しているスタッフは自身も不登校経験者。子どもたちに寄り添い、食べること、遊ぶことを通して、子どもたちは元気になり、復学していく子も多いと言います。社会的ひきこもりを防ぐためには人生の早いうちに介入することが大切だそうです。

5) 不登校の小学生YouTuber

沖縄は学校や社会のプレッシャーから逃げるのには最適な素晴らしい自然にあふれています。不登校の小学生YouTuber「ゆたぼん」は自宅で学ぶホームスクールを実践しています。また自分のように学校で苦しんだ子どもたちにメッセージを発信しています。彼の父親は息子の決断をサポートし、日本の同調圧力の強い社会も変わったらいいと考えていると語りました。

6) ひきこもりアーティスト

ひきこもりを経験したアーティストは、ひきこもりのトラウマを壊し、修復するという芸術作品の展示会に取り組んでいます。
孤独というトラウマから回復することは簡単ではありません。
日本は社会的ひきこもりから自由になるための道のり途中です。

海外の反応

  • 世界:咳。 人間:日本人の内側を暴く
  • ものすごく共感しました。このテーマに光を当ててくれてありがとう。社会から引きこもっている人々が与えるポジティブな影響と見解を示してくれてありがとう。これは日本だけの問題だけではありません。これはどこでも、特に米国で起こっていて、若者/若い大人で10倍に増えています。世界中の社会システムが壊れています。人間が資本主義の歯車の一つのように感じ、そんなシステムの一部になりたくないと社会的ひきこもりになるのも分かります。
  • ”深く病んだ社会にうまく適応出来ていることは、健康のなんの尺度でもありません” ~クリシュナムルティ~
  • 犬を養子にできないなんて、かわいそう。
  • この番組で紹介された人々は、若いときに虐待や発達障害に苦しみました。 彼らは今もまだ子供の心のまま、家の中に隠れているのかもしれません。 :(とにかく、非常に啓発的な素晴らしいビデオ。
  • とても日本らしい。 欧米では「インセル」と言うがかなり違う。
  • 少年を見て涙がでた。自分には子供はいません! なんてクールなんだ…あなたのアニキになることができますか?
  • ゆたぼんは素晴らしい両親に育てられたと思います。彼を叩いたのに嘘をついた大人は間違っている。
  • 「教師によるいじめ」は「より悪質な虐待」の遠回しな言い方であると思うのは私だけだろうか?
  • ひきこもりは、2010年以降の人口減少に貢献し、2019年には1億3000万人から1億2600万人に減少しました。
  • これはもう生きているとは言えない。誰か彼らを助けて。神様、彼らを導いて。

「社会的ひきこもり」問題を明るみに出して

海外メディアが制作した「日本の社会的ひきこもり」ドキュメンタリー番組を視聴しての、私の感想です。

1) 何も恥ずかしいことではない

恥の文化の強い日本において、ひきこもりは恥ずかしいことと、家を閉ざしてしまう家族も多いですが、

特に印象的だったのは、岩手県に住むお母さんと息子さんの明るい笑顔です。

「ひきこもりもただの人」と息子さんが発言していたように、同じ人間なのです。

「社会的ひきこもり」は、誰にでも起こりうることだとも言えます。

何も恥ずかしいことではない! スティグマを打ち砕くお母さんの態度に、勇気をもらいました。

2) 支援につながる必要性

海外の反応にもありましたが、「ひきこもり」の人たちは、いじめ、厳しい教育システム、リストラなどで、社会のレールから外れてしまい、傷を負っている状態と言えます。

「傷ついた子供の心のまま、家に隠れている」とのコメントがありました。

またADHDなどの発達障害を持ちながら、長年放置されていて、支援につながれていない状態であると分かりました。

ひきこもり問題は自己責任ではなく、社会の責任として取り組んでいくものだと思います。

人間は社会的動物です。社会につながらずに生きて行くのは不可能です。

特に中高年の方たち、支援につながれるようにと願います。

3) 世界中がひきこもりの時代に

海外の反応では、世界中のどこにでも「社会的ひきこもり」問題があるとのことです。

コメント欄には、インド生まれの思想家ジッドゥ・クリシュナムルティの名言もありました。

It is no measure of health to be well adjusted to a profoundly sick society.

深く病んだ社会に うまく適応出来ていることは 健康のなんの尺度でもありません

病んだ集団に適応するには、同じく病んでいる必要があります。その集団の是非を問わない限り、気づきようのないことです。

引用元: 英語の名言:本当に問題を理解できたら,答えは現れてくる(クリシュナムルティ)

上の引用を読み解くと、「深く病んだ社会の中で、どんなに適応できたとしても、その人も病んでいる」と言いかえられるでしょうか。

彼らは、ひきこもることで、この病んだ社会を避け、身を守っているのだと言う意味に私は受け取りました。

社会が病んでいるのだとようやく私たちは気付きはじめたのではないでしょうか。

まとめ

日本では子供から大人まで、社会的ひきこもりが100万人以上もいることについて、海外でも注目されています。

当事者が100万人いるということは、家族も含めたら、ちょっとした県の人口ほどいる訳です。

「社会的ひきこもり」は、家庭の問題として捉えるのでなく、誰にでも起こりうることと捉え、社会の中で生きることができるように明るみに出すことが必要です。

私も当事者家族として、この動画からたくさんのことを考えさせられました。

少しでも多くの方に知っていただきたくご紹介いたしました。

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